まるで映画のワンシーンをそのまま本の中に閉じ込めたような、メロディ付きの素敵なしかけ絵本ができました。ページを開けば、そこはカルロ・コッローディの「ピノキオ」の世界。
仄暗い月明かりの青が差し込む作業部屋で、おもちゃ職人のゼペットじいさんが、踊ったり宙返りできるような特別な人形を作っています。「おまえが本当の男の子だったら、どんなにいいだろう」気のどくに思った青いようせいは人形に魔法の粉をふりかけます。そうです。ピノキオ誕生の瞬間です!ページをめくると、木の動く音やゆかいな子どもの笑い声が聞こえてくるではありませんか。青いようせいに命を授かった木の人形ピノキオは、笑いながら右手をつきだして起き上がります!その様子はまるで映画そのもの。効果音と詩情的な絵が、立体的なしかけとなって目の前にいる私達を「ピノキオ」の物語の中へと誘うのです。
しかけのあるページには、必ずその場面にぴったりの音楽や効果音による場の空気が流れ、物語に抑揚をつけると同時に、手に汗握る臨場感を与えてくれます。最後のしかけのページに現れるあんぐりと開く鯨の大きな口には「おお!」と心が躍ります。
不思議な存在感と夢のような時間を演出し、読むものを魅了するのはなんといっても、繊細な光のヴェールで見事に「ピノキオ」の世界を包み込んだリチャード・ジョンソンの魔法のような美しいイラスト。そして、それを彩る音楽としかけの融合!まるで、紙のページの上が舞台となり物語が動き出す様子が目に見えるよう。今までと一味違う新しい「ピノキオ」に出会ってみませんか。 大人にも喜ばれるしかけ絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
人気のメロディ・ポップアップシリーズ!BGMがついた、とびだすしかけえほんです。見返りをもとめず人を愛することができたとき、ピノキオは本当の男の子になれる・・・ピノキオの冒険をダイナミックなしかけとメロディで盛り上げます!
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