直木賞作家・辻村深月の作品が、青い鳥文庫に初登場!
運動神経抜群で学校の人気者のトシと、気弱で友達の少ないワタル。小学校5年生の彼らはある日、家出を決意する。 5年生になって同じクラスになり、親しくなったふたりは、いつの間にかクラスで孤立し、ついには嫌がらせをされるようになった。それでもふたりは、相手を裏切ることなく、いっしょにいることを選んだが……。(『ロードムービー』)
親友の『ヒロちゃん』がとつぜんいなくなり、心を失ったようになって、学校を休みがちになった2年生のヒロ。毎日お見舞いにきてくれる同じクラスのみーちゃんに、イライラをぶつけ「いなくなっちゃえ!」と言ってしまった日、みーちゃんが姿を消してしまった……。(『雪の降る道』)
※この作品は、2008年10月に講談社から単行本が刊行されました。青い鳥文庫収録にあたり、2編を選び加筆・訂正をしたうえ、全体にふりがなをふり、新たにイラストを加えました。
私の好きな辻村深月が児童文庫を出したとなれば、買わないわけにはいきません!
今は読めなくても、大きくなったら子どもと一緒に世界を共有したいと思っていたのです。
なので、これを見つけたときは、とても胸が高鳴りました。
『ロードムービー』と『雪の降る道』の2編を収録しています。
気になって、最初に著者のあとがきを読んだらデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』をお勧めしていて、1000ページ以上もある超大作、児童に勧めるには少しハードルが高いのでは・・・と思ったのですが、本編読んで、納得。
冷たい校舎のスピンオフです。
でも、このお話、単体でも充分楽しめます。
『ロードムービー』は運動神経も頭も良く、毎年学級委員を務めるトシと、いじめられっこのワタルがひょんなことから仲良くなり、それを疎ましく思う人たちからトシもいじめられるように・・・
二人の熱い友情に涙があふれそうになりました。
そしてラストのビックリな新事実。
『雪の降る道』は親友のヒロちゃんを亡くし、体調を崩して寝てばかりいたヒロと、ヒロを心配し毎日のように顔を見せるみーちゃんのこちらも心温まるお話。
そして物語のラストがそのまま『冷たい校舎の時は止まる』に続くかのように終わっているんです!
ファンとしては垂涎物です。
今は無理でも、いつか手に取ってくれる日が来るのを楽しみに待っています。
この二つのお話、どちらもいつかこんな友達ができたら良いな、と思えるものでした。 (ヤキングさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子4歳)
|