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アッチは、ドララちゃんのお料理をレストランでだしてあげるといわれ、ことわってしまいました。すると、お店がこわれはじめ…。
レストランひばりはお化けのアッチが作るちょっと変わった料理が評判。ドラキュラ城の孫娘ドララちゃんも料理自慢。お店で出してもいいわよ、という高飛車な言い草に、アッチはムッとして断る。その後レストランでは原因不明の怪事件が次々と起こるようになり…騒動の原因・犯人を捜すと意外な結末が。
料理人はプライドが高い。自分の仕事場は縄張りで、他の人が介入するのを極端に嫌う。自分のやり方で通したい…二人の小さな料理人の意地の張り合いが面白い。
また怪事件の犯人捜しで、濡れ衣を着せられたいつものメンバーとのやりとりも楽しい。何かわからない事が起きて困ると、その辺の人を疑う。どんどん疑惑が広がり、周囲の人たちとの関係が徐々に悪くなっていく雰囲気は、この小さな物語の世界だけではなく、誰でも多かれ少なかれ経験していると思う。保育所や小学校でも、物がなくなったり、何かあると犯人捜しが始まる。結果はどうあれ、疑惑の中にある不安などが思い出されて、妙に恥ずかしかった。
ネタバレになるが、
自分のやりたいことが素直に表現できないことで、こじらせた犯人が周囲を巻き込んで大迷惑をかけていたという落ちだが、これも社会人になってからもよくある話。いい大人が子どもの頃から抑圧されていた欲求を解消できなくて、キレる、うつになる、精神のバランスを崩す…というのはあちこちで見てきた。この物語のように、誰かが半ば強制的に欲求を解消してくれるとよいが。
なかなか現実の世界はそんなに親切なことは起きない。
だから、自分で稼ぐようになったら、自分の欲求は自分で責任をもって解消する。それは周りの人のためでもあると、つくづく思った。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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