二回りも年上の男性を好きになった小学6年生のさやか。 それは身近な者への思慕なのか正真正銘の恋なのか!? 野間児童文芸賞受賞作。
小学6年生のさやかの家は、小さな町工場。家族は、母親はさやかの幼い頃に出奔したため、父と兄の3人だ。が、母親と入れ替わるようにして工場に現れて以来、父を支えて一緒に働いてきた杉田も、もはや家族の一員といえる。いや、さやかにとっては、家族以上かもしれない。なぜなら、彼女は杉田にひそかに想いを寄せているからである。二回りも年の離れた杉田だけに、その気持ちは家族愛に近いものなのかもしれない。しかし、さやか本人にとっては、ひとりの女性としての真剣な恋心なのだった……。
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