「終夜運転」「紙の砦」「日の丸あげて」――戦争、言論の自由、国旗問題。現代社会やモラルの問題に鋭い問いをつきつける一冊。
短編集なのですがどれも権力というものを感じるお話でした。
『日の丸あげて』は登場人物たちに嫌悪感を感じました。
「国旗を我が家は揚げる気はない」と言う人に対して、元部下の刑事を使い、その人物の全く事実無根のでっちあげの悪評の種をまく人、それに便乗してそれを言いふらし評判を下げることに躍起になる人…気持ちが悪くなりました。でもそんな人たちがいないとは言い切れないところが怖いです。
テーマは重いものでしたが、面白く、考えさせられる本でした。 (みちんさんさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
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