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宮沢賢治の作品集から文章を借り、絵本とした作品。 最初に「このはなしはおとぎばなしではありません」という 前書きが力強いです。 皆に害を与える運命の竜。 ある時よいこころを起こした竜の行く末。 その決意の深さが、自己犠牲という行動に体現されます。 自己犠牲のお話はたくさんありますが、 竜の行動は苦痛を伴います。 その痛みがジンジン伝わります。 最後には乾いて死んでしまった竜は 天上でお釈迦様に昇華します。 宮沢賢治の作品に込められた力強いメッセージは 今も衰えていませんね。 いいえ、今の時代こそしっかり感じ取る必要があるかも しれませんね。 長男はなぜかしら宮沢作品がお気に入り。 奥深い精神をしっかりと読み取ってもらいたいものです。
投稿日:2006/11/28
11歳の娘と読みました。 宮沢賢治の美しい文体と 直接的な視覚表現・・・。 娘はショックを受けたようで 「ちょっともう読みたくないわ・・」と言いました。 国を壊してしまうほどの力を持った竜が 良い心を起こして(相手を思いやって) 自分を犠牲にする・・。 最後は死んでしまうのですが それって、自己肯定感の欠落ってことにならないんですかねぇ・・。 (自分なんかいなくなってしまった方がいいんだって・・) 私自身の自己肯定感が低いので 私にとってもなんだか「痛い」本でした。
投稿日:2016/06/22
絵が暗いので、子供は怖がるかもしれないと思いながら、それでも読んであげたくて著書間から借りてきました。 もともと竜神さんの好きなむすこでしたが、「途中なんで動かないの?」「なんでたべられるの?」などと聞きながら真剣に聞いていました。 読み終わると、もう一回!もう一回!と何度も何度も繰り返し読まされました。 この竜の心がわかるのかわからないのか、定かではありませんが、息子のどこかに覚えておいてほしい作品です。
投稿日:2016/05/21
このはなしはおとぎばなしではありません。 最初にそう書かれていて、宮沢賢治の強い思いを感じました。 確かに、面白い本でもありませんし、オチがあるわけでもありません。 この本は自己犠牲を享受する竜のお話。 毒を持ち、怖いもののない、誰もがおそれる竜が、襲うのを止め、自分の皮を剥ぎ取られてもがまんする、虫に喰われてもがまんする、そして自分は死んじゃった…という話です。 死んだ竜はお釈迦様になりました。 これは悟りであって幸せとはかなり異質のことかと思います。 結論づけられているわけではなく、私は宮沢賢治の問題提起ととりました。 考える材料にはなりますが、子どもにとっても親にとっても安易な話ではないと思います。 戸田さんの絵も主張するのではなく、問題提起に参加しているように思いました。
投稿日:2010/04/01
5年生で宮沢賢治の作品を読み、6年生で彼の伝記を学習していくため、読み聞かせていました。このお話は、短い中にも宮沢賢治の思想が濃く表れていると思います。また、油絵から身体的にも精神的にも悩み苦しみ竜の姿が感じられ、お話が心に深く入り込みます。 低学年や幼児であっても 「ここまで 我慢せなあかんの? なんで?」 「かわいそうすぎる」 と竜の生き様、死に様に何かを感じずにはいられません。この見返りを求めず与える愛に徹する竜の姿から感じたことを少しずつ子どもたちと考えていきたいと思える本でした。 高学年には、他作品とあわせて是非読んでもらいたい一冊です。
投稿日:2008/07/01
人に害を与えない存在であるために、自分を犠牲にした竜のお話。 ただ存在し、動いているだけで、他者を怖がらせてしまう竜は、結局自分の体を与えることでしか自分の存在理由を証明することができなかったのでしょうか。 物悲しい中に静かな感動を呼ぶお話でした。 小さいお子さんでも、十分に感じることの出来るお話です。
投稿日:2006/12/26
7歳の娘にはまだ早いかも、と思いつつも、恐竜や竜に興味を持つ娘に与えてみました。 何度か一緒に読んだあと、一人で何度も読んでいます。難しい言葉もあり、頭で理解はできていないだろうと思うのですが、心に響くものがあるようです。親の私も、うまく説明できないこともあり、無理に解説するよりも、一緒に何度も声に出して読んでいます。少しずつ、心に沁みてくるのではないかと思いながら。 宮沢賢治の大きな宇宙観、人生観が凝縮されている一冊です。娘と一緒に少しずつ近づいていけたらと思っています。
投稿日:2006/10/26
小学校の読み聞かせに活用しました。みんなシーンとして聞き入っていました。自分の身を犠牲にしてまで、他の者たちへまことの道を説こうとする竜の姿に何かを感じ取ってくれたのだと思います。5歳の息子も、普段はおちゃらけの本を好むのですがこの「竜のはなし」は何度も「もう一回読んで」と、まじめに聞いていました。いつまでも心の中にとどめておいて欲しい本の一冊です。
投稿日:2006/10/24
教えを問う話ですね。 6歳用に読みましたが難しかったです。 本文前に これは本当のお話です などと書いてあるものだから、子どもも真に受けてしまって、 「竜っているの?どこに住んでるの?」とそればかり気になってしまいました。 これもやはり、高学年に読んであげるといいと思います。
投稿日:2006/06/10
宮沢賢治さんが、コメントされている通り、この作品は、単なるおとぎ話ではございません。 この1冊の絵本には、宮沢賢治さんのメッセージが凝縮されており、お子様から大人の方迄、深く考えさせられる内容となっております。 まるで、日本のピカソのような大胆な色彩! 自分だけ良ければいいと思いがちな人間、真の強さとは、真の優しさとは・・・・・・。 痛々しく、惨忍で目を覆いたくなるようなイラストもございましたが(>_<) この1冊を読んで、本当の優しさ、思いやりを改めて考えさせられた作品でした。簡単なようで、奥深い作品でしたが、お子様と一緒に読まれてみると良い作品ではないかと思わせて頂きました。
投稿日:2006/06/03
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