旧黒人居住区ソウェトに住む少年と、その家族、友達などの日常を紹介する写真絵本。ズールー族の伝統と、近代社会と、かつての黒人差別の名残が共存している。
南アフリカ共和国といえば、アパルトヘイトとネルソン・マンデラ。世界史の時間に言葉だけを習った。アフリカには行ったことがないが、この本を見ると、その場にいるような気持ちになってくる。
たくさんの民族があり、自分の民族の人たちが通う小学校に行く。ズールー族の文化や習慣。父親のいない家庭が普通。英語とズールー語で授業が行われ、日曜日には教会に行く…たくさんのことが初耳で新鮮な驚き。
治安が良くないことや、みんな貧しいので制服をもっていない子もあること、本を読む習慣がないこと。残念なことも知ったが、サッカーボール一つで子どもたちが大いに盛り上がって楽しく遊んでいることや、簡単な遊びでみんな満足していること、家に帰ってその日に合った出来事を家族に話をして楽しむことなど、素敵なこともたくさん知った。
失業率の高さ、HIV感染の問題、今も残る差別など、問題も多いが、そこで人生を大いに楽しみ、責任を果たしてしっかり生きていく人たちの姿を見て、考えさせられた。
そして忘れてならないのは、アフリカ料理。どれもとても魅力的で、是非とも現地で食べてみたい。あのパップというのがどうにもおいしそうに見える。