全体の印象として、明るいか暗いかと言えば暗いですが、癒しがあります。
誰でも一度は考えて落ち込んでしまった事があるような、動物達の思い。
例えば、今落ち込んでいる自分と重ねながら、じっくり読み進めていくのなら、物語の長さも画の落ち着いた雰囲気もアリかな、と思いました。
なので子供向けというよりは、自分の胸の内と向き合おうとしている、あるいは向き合える年齢が対象の絵本だと思います。
刺繍の柔らかい絵は、個人的にはとてもほっとして、気の向いた時に眺めたくなるような味があって好きです。
少しあっさりしているかな、という気もしますが、
その日の気分によっては逆にそれが良く見えたりもしそうです。
気になる事をあげるなら…
生きていればいい事ばかりじゃないけど、楽しい事だってあるというメッセージなら、お天気のようにということで伝わりやすいのですが、
自分に対して悲観的な思いを持つ動物達に「そのままでいいんだよ」ということを伝えたい、それがメッセージなら、天気が回復して悩みも解決するというのは少し強引というか、違和感を感じるように思いました。
メッセージやテーマがつかめない気がします。
布や刺繍ならではのやさしい絵は、一つの絵として、明るくないにしても子供に見せてあげたいなぁ、と思いました。
子供を対象とするのなら、欲を言えばもう少し色が欲しいかも。
あと、子供でも分かる量や題材なら嬉しいです。