主人公のはなかっぱの家は、きれいな池の真ん中にあります。いっしょに暮しているのは、おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんです。
みんなの頭にはそれぞれ違う花が咲いていて、どの花もきれいな空気や水がなければ、咲いていられません。それはもちろん、はなかっぱにとってもです。
ところで、おとうさんやおかあさんたちには、ひまわりやタンポポなどの決まった花が咲いていますが、はなかっぱの花には名前がありません。はなかっぱはこれからの子だから、これからどう生きていくかによって花が決まるのです。
きれいな花にはきれいな水や空気が必要なように、はなかっぱのような子どもたちにも、きれいな環境が必要です。
でも、生まれてきた環境は自分では選べません。できるだけきれいな環境がいいけれど、もしかしたらそうではないかもしれません。
でも、生き方は自分次第です。
はなかっぱがきれいな花を咲かせようと頑張るように、子どもたちもせいいっぱい頑張って生きて欲しい。
この絵本には、そのような願いが込められているように感じました。