なんといってもこの絵本のタイトルに惹かれました。
『ガスこうじょう ききいっぱつ』なんていうタイトルは絵本の世界ではあまり見かけません。
どんなお話なんだろうと思います。
それと絵のタッチです。
表紙の絵でいうと、ヘルメット(工場のタンクのようです)をかぶったおじさんの顔がとても細かく描かれています。
眉毛、ひげ、指のしわ、リアルさを感じる絵です。
タイトルにこの絵のタッチが合わさると、まるでハリウッドのエンターテインメント映画が始まるような、ワクワクドキドキ感が高まってきます。
ここは大きなガス工場。
そこではたくさんのおじさんが働いています。
材料が送られてくる、それが仕分けされ、大きな管を下って集積されていきます。
おじさんたちのリアルな表情は変わりませんし、工場の内部の様子も細かく描かれています。
それに視点が下にあって、見上げる形で描かれているので、工場の大きさも実感できるように工夫されています。
ある時は上から下を見下ろす視点にもなっていたりします。
でも、こんな大きな工場でどんなガスを作っているのでしょう。
面白いのはおじさんたちの食事。
今では懐かしい弁当箱にはいっているのは、日の丸弁当ではないですか。
近代的な工場と日の丸弁当のギャップがいい。
そういえば、おじさんたちもどこか昭和のおじさんぽいです。
工場の研究室も描かれていて、出て来る研究員もお茶ノ水博士のようだったりします。
でも、この工場はなんの研究をしているのでしょう。
ガスができあがって、いよいよ発射のようです。
なりゆきをたくさんのおじさんたちが見守っています。
ところが、どうしたことでしょう。
何かの圧力、それはガスを発射させまいとする力なんですが、がかかってガスタンクに爆発の危険が迫ってきます。
いよいよエンターテインメント最大の山場です。
さすがにこれから先は書けません。