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〜共に暮らすための道しるべとして〜 あとがきにある、製作にかかわった方の思いがきっちりと伝わってきました。 ダウン症の子が、保育園でまわりの子と一緒にゆっくり、でもどんどん成長していく姿をたくさんの写真で伝えてくれます。 ちょっとゆっくりだけど、その子の時間で。障がいを持った子もそうでない子も、みんなが思いやり、どんな違いも個性として認めあって一緒に過ごすことができれば、どんなに素敵な世の中になるでしょう。 まっすぐで、まだ偏見のない小さな時に、世の中にはいろんな人がいるということ。みんな違うということ。違うからこそ、得意を使って補いあい助け合えばいいということを、親が子に伝えていきたいですね。
投稿日:2020/08/15
ダウン症の繁ちゃんの愛くるしいお顔が表紙になった絵本です。 作者の星川さんは数々の写真絵本を手掛けられた方で、私もこれまでにいくつかの作品を拝見してきました。 私自身が仕事上で、ダウン症のお子さんと関わる機会があった際、何の知識も持たないままに関わることは出来ないと、あらゆる本を読んだのですが、その一つとして手に取ったこの写真絵本が一番私の心を揺さぶって、理解が深まりました。 星川さんの写真は躍動感があります。気取らない日常そのものがうつされていてとても共感できます。 その一瞬の表情を逃さない素敵な写真と、そこに乗せられた言葉がとてもぴったり合っていて、一年間、本当に色んな時に密着をされていたのだということがわかります。 そして、しげちゃんのお母さんがあらたちゃんが投げかけた疑問 「なんで、みんなみたいにおしゃべりしないの?びょうきなの?」という問いにも 「びょうきじゃないのよ。なんでもゆっくりおぼえていくから。」と答えたところにも母なりの気持ちが表現されていると感じました。 そうです。びょうきではない。ただみんなより一本染色体が多かっただけ。 びょうき、障がいと捉えているのは健常者の身勝手な考えです。 母親として、みんなにも特別扱いではなく同じように接してもらいたいという気持ちもあるのではないでしょうか。 私もドキッとしました。 染色体が一本多いという特徴もあらたちゃんにわかりやすいように「おまけ」という言葉を使って教えてあげていました。母親だからこその愛のある言葉だなと思います。 しげちゃんのお母さんと3人で話すシーンの写真のしげちゃんのお母さんの優しい横顔も印象に残っています。 ゆっくり成長しているしげくんですが、この密着のはじめと終わりでは顔つきが全然違うのがわかります。 勿論、あらたちゃんだって、大きく成長していますが。 ゆっくりでも、着実に成長しているしげちゃん。きっともう現在は20歳くらいになっているのかな?一日一日、自分で出来るようになったことが増えて・・出来ることもいっぱい増えたでしょう。でも優しい笑顔のままのしげちゃんだろうなと想像します。 みんなの心の中でハンディのある人がとなりの存在になってくれたらどれだけ嬉しいでしょう。 という星川さんの最後の言葉にもあるように・・ 私の関わったとなりの〇〇ちゃんも大切な大切な存在です。 しげちゃんのお写真を拝見しながら、〇〇ちゃんのことを思い出しながら・・胸が熱くなりました。
投稿日:2017/05/20
ダウン症のしげちゃん。 みんなとは少し違う反応の仕方、子ども達が戸惑うのも自然なことでしょう。 得意なこと、苦手なこと、成長のスピード…。みんなちがう。 でも、感じる心は、みんなおんなじ。 しげちゃんの成長、2つ年上のあらたちゃんとの交流。 ふたりとも、なんて素直で、なんて自然なんだろうって思いました。 ありのままのふたりを追ったドキュメント。 自然と胸がいっぱいになる一冊でした。
投稿日:2015/01/21
おとなりに引っ越してきたしげちゃんがおしゃべりをしないのは何故だろう。ずーっと気になっていたあらたちゃんはしげちゃんのお母さんに聞いてみました。 みんなよりゆっくりおぼえていくだけなことを聞いて、安心します。子どもは、本当のことを知ることが安心につながることが多いと思いました。 運動会に一緒に出た二人は、やがて家の近くでも遊ぶようになります。 しげちゃんの保育園での一年間をゆっくりと見つめた写真絵本です。 聞いてる子どもが飽きてきたら、文章が長い所は、写真を見せながら簡単な説明で済ませると良いかも知れません。
投稿日:2011/08/13
結婚して13年目、高齢出産に近くなった妻は出産が近づくにつれて不安がいっぱいになりました。 福祉関係の仕事に関わっていたけれど、妻が気にしていたのはダウン症の子かもしれないという不安。 頭では理解できているのだけど、受け入れられるのだろうか? 結果はそうではなかったけれど、身体障害者に対する思いは夫婦ともに深めることになりました。 この写真絵本ではダウン症のしげちゃんの保育園での生活がのびのびと描かれています。 あらたちゃんのしげちゃんに対するやさしさがとても素敵です。 しげちゃんのお母さんのすべてを包み込むような言葉も素晴らしい。 しげちゃんがあらたちゃんの名前を呼んだと知って泣いていたようなお母さん。 しげちゃんの成長に自分が報われるひとこまなのでしょう。 実在の人物、実際のことを写真に収めていくことは大変だと思いますが、見事に結実した絵本です。 こんな絵本を通して身体障害者への理解を深めるとともに偏見をなくし、身近な健常者に対する思いやりも含め心の温かさを育てられればと思います。 絵本を読む人間の課題を勉強させていただきました。
投稿日:2009/10/29
ダウン症のしげちゃん。 そんなしげちゃんのお友達、あーちゃんの視線&心で描かれているお話です。 読んでいて、あーちゃんの純粋な心、優しさに、 そしてしげちゃんのお母さんの言葉に、 涙がでてきてしまいました。 人よりちょっと遅いかもしれない。 でも確実に成長している。 親にとって、子供の成長ってほんのちょっとでも本当嬉しくてうれしくてしょうがないものなんですよね。 親だからこそわかる、そんあ親心に涙でした。 息子の小学校にもダウン症の子がいて、 息子のクラスは、そのクラスとの交流学級になっています。 でも息子にとって、クラスのみんなにとって、 ダウン症のその子も、みんなと一緒のお友達。 まだまだ疑問のもたないあーちゃんのような感覚なんですよね。 いまのその気持ち&状況を、学年が進んでも持ち続けほしいなあと切に願いました。
投稿日:2008/04/30
テレビを見ていた娘に、少し体が違う人のことを聞かれました。私としては、身体的にも情緒的にもそういう人はたくさんいて、だけどみんな同じように感じて元気に生きているんだよと伝えたかったのですが、心とは裏腹にうまく言葉が繋げず。 けれどもまさに同じ文章が、お母さんの言葉として書かれていました。実際の生活のなかで私もそう感じています。共感。 とかなんとか思ったのは大人だけのようで、娘はこのしげちゃんに何の疑問も持たなかったようでした。 きっと目の前にしげちゃんがいたら、普通に遊んでいたんじゃないかなぁ。だってお姉ちゃんに世話してもらう保育園の絵本だと思ったみたいだもの。 服の感じや行事や食べている時の様子など、娘の園とよく似ていてすごく身近な事として読めました。写真をジィッと観察しては思い出を話してくれました。 しかし娘の園での様子はしげちゃんとそっくりだわ。給食の時間に着替えかけで寝転がっている自分を、客観的に見られる機会になるかも。 うまく言葉がまとまらず不足しているかもしれませんが、みんな接している子供のお話として、何となく読んでみて欲しいなと思いました。
投稿日:2007/06/06
しげちゃんが仲良しのあらたちゃんに向かって、「あーちゃん」って呼んだところ、あらたちゃんがそのことをしげちゃんのおかあさんに報告するところで、必ず涙が出てしまいます(福祉をテーマに学習する小学4年生のクラスで読んだときも、胸が詰まってしまったことがありました)。 ゆっくりと成長するしげちゃん。そんなしげちゃんを見守り、一緒に喜んでくれる友達がいること。 こんな素敵な関係は「勉強する」ものではないと思う。学校で「勉強する」福祉・障害といった言葉に、型どおりの構えたイメージを植え付けられていそうな子ども達に、「ここから始まってるんだよ」と伝えたかったんだけど、あのとき、伝わったのかなあ・・・。
投稿日:2007/06/03
おとなりにひっこしてきたしげちゃん みんなみたいにおしゃべりが出来ないけどなぜだろう? しげちゃんよりお姉ちゃんのあーちゃんは不思議でした。 おはようって言っても何も言わないし・・・ しげちゃんのお母さんに病気なのかと聞いてみた。 みんなより少しお兄ちゃんになる早さがゆっくりなだけなのよ。 と聞いて安心したあーちゃん お話が出来なくてもどんどん話し掛けるあーちゃん ある日遊んでいる時、しげちゃんが「あーちゃん」 と呼んだ。あーちゃんはびっくりしたけどとっても嬉しくて 涙が出たのよとしげちゃんのお母さんにも報告 お兄ちゃんになってきたねと。 あーちゃんのまっすぐなやさしさが暖かい お母さんが病気じゃないのよと言われた言葉にも驚いた ダウン症というハンディがあるだけ ハンディを持って生活している人は数多くいらっしゃる。 特別な存在でなく、一緒に生きる仲間で手助けが時々必要なだけ。自然にすっと手を差し伸べられたら、私は一人前かな。
投稿日:2006/10/06
2006年度読書感想文低学年の部課題図書 『あかちゃんてね』の作者による写真絵本シリーズの1冊。 ダウン症のしげき君の保育園での様子を、 近所のおねえちゃん、あらたちゃんの視線で語ります。 しげきくんのお母さんから 「おにいちゃんになるのに、時間がかかっちゃうんだ。」 と教えてもらったあらたちゃん。 でも、感じる心はみんなと一緒、と言われて ホッとするあらたちゃん。 作者があえて「となりの」とタイトルをつけた想いに共感します。 小5の次男の学年は4クラスありますが、 各クラスにひとりずつ、いわゆる特殊学級と平行して学んでいるお友達がいます。 入学当時からですので、自然と当たり前になっているのでしょうか、 担任の先生が、「この学年はとても優しさを持っている。」と 評してくださいました。 実際授業参観などで見ていても、 彼らが少しみんなと違う行動をとっていても、 みんな全然動じません。 特別扱いでなく、自然と受け入れているんですね。 それだけに、心に響く作品でした。
投稿日:2006/08/29
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