海の群青色と氷の白が印象的な絵本です。大判で厚さがあり、中は魅力的な絵と、細かい記述でシャクルトンの冒険が描かれています。
確かに「絵本」ではあるのですが、小さい子どものための絵本ではなく、また大きい子でも読み手を選ぶ本だと思います。ただ、一旦この絵本の魅力にとりつかれた人は何度もこの絵本を読み返し、シャクルトンと一緒に冒険を味わうことでしょう。
シャクルトンが指揮するエンデュアランス号は南極大陸横断という探検に向かいますが、船は氷に閉ざされ、やがて沈没してしまいます。そんな孤立無援の過酷な環境下を生き抜き、なんとエンデュアランス号の隊員全員が無事に帰還するのです!希望を失わない隊員たちの精神力の強さ、彼らを指揮するシャクルトンの統率力の素晴らしさは言葉では言い尽くせません。
インドア派の私は、「なんでまた、わざわざ好き好んでそんなところへ…」と思ってしまうのですが、そんな私に、最後のシャクルトンの言葉「…たったひとつの真の失敗とは、そもそも冒険をしようとしないことだ」が、グサッと突き刺さりました。彼らの勇気と不屈の精神から学びたいと思います。