この絵本のタイトルは漢字変換した方がわかりやすい。
「干支(えと)干支(えと)合戦(がっせん)」。
もちろん、子どもたちに「干支」という漢字は読めないだろうから、このひらがな表記のタイトルは仕方がない。
さて、漢字表記でわかるように、この絵本は十二支の動物たち(龍のように想像上のものもあるが)に十二支に選ばれなかった動物が戦いを挑むというお話。
十二支に選ばれなかった動物といえば、ねずみに騙された(と巷間伝わる)猫が有名だが、ここではタヌキが大将。
では、タヌキの仲間にどんな動物がいるかといえば、猫、鹿、熊、豚、カエル、コウモリ、カニ、(あとは省略)、とまあ、ものすごい大雑把な印象がする動物たちである。
石黒亜矢子さんのコミカルなタッチの絵では現十二支たちは結構いかつい中世風な絵柄で描かれているのだが、新十二支候補の動物たちはギャグ漫画風となると合戦が始まる前から勝敗が決まっていそう。
しかも、現十二支にはなんといっても龍がいる。勝てるわけがない。
いやいや、タヌキにはタヌキ族の家宝「金のばけはっぱ」なるものがあって、みんなが力を合わせれば、シン・ゴジラも驚く巨大おばけタヌキに変身!
さあ、この戦い、どうなるやら。
なんだかわけのわからない展開のこの絵本、結構売れているらしい。
絵の力ってすごい。
それとも、やっぱりタヌキの「必殺ふぐりおとし」の効果だろうか。