「Red あかくてあおいクレヨンのはなし」 みんなの声

はじめ、この本を手に取った時、おしゃれだなーと思った。
アメリカ版五味太郎のような。
クレヨンだって、赤青黄色のいわゆるクレヨンではない。
オリーブ、スカーレット、アッシュ諸々。

3歳半の息子は自分の知っている色合いのクレヨンじゃないからはじめは半信半疑だった。
赤いラベルに青のクレヨン。
みんなはレッドと呼ぶけど書いてみれば青の画ばかり。

そうだよねえ。
おかしいよねえ？

赤なのになんで赤が描けないの？
それはなまけてるからだ！
もっと頑張れ！とヤジが飛ぶ。

レッドは自信喪失。
そんな時、紫が「ぼくの船に波を書いてほしい
と言ってきた。

いやいや自分赤なんで、海とか描けないです。
と言いつつもいざ描いてみると……！

「できない」が「できる」ようになる。
みんなに認められる。

青くんは自分自身が青だとようやく気づいて
自信がついて青くんとして生きていく。
ハッピーエンド。

息子は「やっぱり！はじめから自分も青だと思ってた」と。
その声を上げることがいかに難しいことか。
マジョリティがそうさせなかったのです。

ジェンダーに限らずマイノリティにも当てはまる。
決めつけることはよくない。
中には苦しむ人もいる。
だからこそ自分で考えること、発言すること。
間違っていてもいい。
いつかきっと分かってくれる人もいること。
とても大事なことを教えていると思います。
良著です。

レッドは赤いクレヨン。だって名前がレッド（赤）だから。でも、どうしても赤い絵が描けない。青い絵になってしまう。外見と中身が違いがあって、みんなからはガンバリが足りない、何とか直さなくては…と思われてします。体と心の性が違うLGBTのお話のようにも受け取れた。

ラベルが赤なので、自分も周りも赤だと思い込んでいるクレヨンのお話です。
実は青色なのに、巻紙が赤だったために、悩むクレヨン。
見た目と中身が違うって、苦しいこともあるけれど、自分も周りも本質を知れば、きっと幸せになれるんですね。
ちいさな子も読めるとは思いますが、深い内容を理解するという点では、中学生や大人が読むと良い絵本かもしれません。

「赤」なのに赤い色が出せないクレヨン。
気に病む様子は、きっと誰しも一度は通る苦しさ、歯がゆさなのだろうと感じます。
「自分は自分」と自分のことを認められるようになるまで、その苦しさは続くのでしょう。
その道のりには、誰かの手助けがあってもいい。
そんな風に感じられるお話でした。

どこからみても青は青。
それを赤と言うのは、ラベルに赤とあるからですね。
自ら「自分は青だ」とカミングアウトできなかったクレヨンは、本当に自分が赤だと思っていたのでしょうか。
でも、自分のアイデンティを見出だしてくれた、仲間たちには感謝しましょう。
これからは青として生きていくクレヨンに、頑張れと言いたいですね。
本当の自分を見つけられて良かったね。