【あらすじ】
ある男の家に、くさびら(キノコ)が生えて困っているという。山伏にまじないをしてもらってキノコがなくなるように頼んだが、まじないをすればするほどキノコが増えてしまう。とうとう大きなお化けキノコが出現してしまい…
狂言の演目を楽しい絵本にした作品。
絵:竹内通雅、解説:野村萬斎
【感想】
単純明快。昭和の名作コント、ドリフ大爆笑のナンセンスな展開を思い出す作品(年がばれるね〜)
お話が極めて単純なのに、全然飽きないで最後まで楽しめる。絵描きの力量がしのばれる。どんどん増えていくキノコが、スリル満天。キノコ好きにもたまらない、キノコ嫌いにもたまらない話の展開。
しかし、どうしてこの男はキノコがあることで、困っていたのだろうか?
食べられないキノコだったら邪魔だろうし、毒キノコだと危ないし、食べられるキノコだったら泥棒が入って治安が悪くなるのだろうか。それとも、この男はキノコのアレルギーでキノコを見るだけでもあちこち痒くなったりするのだろうか。単に、不気味だったのだろうか。それとも…
キノコと言えどもバカにできない。キノコの不思議さや、キャラクターとしての魅力、危険さなど、いろんなことを想像して楽しめた。
読み終わっても、どうしてそうなったのか気になって仕方ない。
キノコが生えると、不幸があるのか?家が老朽化したサインなのか(立て替える資金がなくて困っていたのか)…私はキノコ好きなので、ぜひとも食用キノコが生えて欲しいと、思いますが、いかがでしょうか?大量にできたら売るなりあげるなり、煮るなり焼くなり揚げるなり蒸すなり…どんこシイタケでお願いします。