かつてのパンどろぼうは今、森のパン屋で働いています。
パン屋のおじさんと出会って、パンは盗むよりも作った方が、ずっとおいしくて楽しいことを知ったからです。
森のパン屋の今日のお勧めは、ぶどうパンです。
たくさん買ってもらいたいから、目立つようにお店の前に置きました。
でも、誰も買っていきません。
気になって見に行くと、ひとつ残らずなくなっていました。
誰かに盗まれた!!
かつてのパンどろぼうは、どろぼうを捕まるために張り込みをすることにしました。
どろぼうがどろぼうを捕まえるというお話だから殺伐としているかと思いきや、とてもかわいらしい内容になっています。
どろぼうをした理由もかわいらしくて、許してしまいたくなります。
でも、どろぼうは、やっぱりしてはいけないこと。
ですから、かつてのパンどろぼうが一つの提案をします。
その提案がまたなんとも前向きで健全で、そしてそれに従うどろぼうが、とても素直です。
どの年代のどの性格の子に勧めても大丈夫な、素直な絵本だと思います。