矢川澄子再話とありますが、間違いなくグリム童話です。
そしてびっくりしたことに、ビネッテ・シュレーダーの描いた『かえるの王さま』と同一人物ではないですか。
しかし、比べるとこの二つの絵本のお話は、同じではありません。
梶山俊夫さんの描いた絵本は、簡略版(手抜きではありません)。
『かえるの王さま』のエキスを絞り出して、日本の昔話状態にした感じ。
したがって説明部分はそぎ落とされ、梶山さんの絵からいろいろと別物に読み取れたりします。
とはいえ、梶山さんにグリムは似合わないかもしれません。
それほどに日本昔話の大家、独特の絵は日本的なのです。
ハインリヒの描かれ方は、シュレーダー版と全く違っています。
矢川さんはどうして、異なる『かえるの王さま』を書き分けたのでしょうか?
好みは読者にお任せです。