『MILO Imagines the World』が原題。
石津ちひろさんのこの意訳にも納得です。
毎月最初の日曜日、マイロはお姉ちゃんと一緒に地下鉄に乗ってお出かけ。
緊張と不安を紛らわすために、マイロがするのは、乗客のスケッチなのですね。
それも、乗客の降車後の生活を想像するのです。
そこで出会ったのが、ジャケットを着た男の子。
もちろん彼のこともいろいろ想像しますが、
意外にも、彼はマイロと同じ行き先に向かったのです。
その行き先は、衝撃的です。
お母さんと会えたマイロ。
でも、その場所は。
最初から漂っていた緊張と不安の理由が明らかになります。
マイロのスケッチブックが、想像力豊かだっただけに、その落差にたじろぎます。
みかけだけじゃ、そのひとのほんとうのことなんてわからないんだ。
マイロの気づきが読者をも揺さぶります。