世界は同じではありません。
国の大きさも違うし、肌の色、話す言葉も違います。
年をとった人たちもいれば、生まれたばかりの赤ん坊もいます。
男の人もいれば女の人もいます。そういう性にとらわれない人もいます。
好みだって違います。
犬を好きな人、猫が好きな人、小鳥が好きな人もいれば、とかげやへびが大好きだっていう人もいます。
世界は、そんなふうにまったく違うなかで出来上がっているのです。
アメリカのミーシャ・アーチャーさんという女性が書いた『いい一日ってなあに?』(原題は『Daniel’s Good Day』)を読んで、そんなことを思いました。
近所の人たちの仲良しの小さな男の子ダニエル君は、おばあちゃんのおうちに向かう道すがら、みんなにこう声をかけて歩きます。
「いい一日って、なあに?」
屋根のペンキをぬっている人は、「はれわたった空」と答えます。
凧あげをしている人は、「おだやかな風が吹いている日」といいました。
お隣の老人夫婦は、「公園のこかげのベンチで休む時」と教えてくれます。
訊く人みんな、どれひとつ同じ答えはありません。
ダニエル君と一緒に街を歩くと、よくわかります。
この世界は、みんな違ってもいいんだと。
絵本のおしまい近く、おかあさんに「どんな一日だった?」と訊かれて、「すっごく いい一日だったよ!」と答えた時のダニエル君の、笑顔がとってもかわいかった。