表紙の小熊の寂しそうな表情に惹かれて読みました。
物語は、冬眠から小熊だけ早く目覚めることから始まります。
親熊も起きると、家を作ることになるのです。
親熊が家を作り、手持ち無沙汰な小熊も自分で小枝を集めて小さな家を作ります。
小熊は作った家が完成したので、親熊に見せようと声をかけるのですが、返ってきた言葉が、
「うん、あとでね、いまはいそがしいから」
どこかで聞いたことのある言葉です。
それで、小熊は遊んでくれる仲間を探しにいくのです。
最後は、小熊が「ちょっとまって。いま、いそがしいんだ」という場面もあって、なかなかのストーリー展開だと思います。
小熊に自分自身を投影して読むことが出来る絵本なので、読み聞かせには最適でしょう。
熊の絵本って、暖色系のものが多いのですが、この作品もご多分に漏れず暖色系の色調で、読み手を包み込んでくれるような作品だと思います。
また、親としての教訓のある絵本だと思います。