節分の豆まきでイメージしていたものが、数ページにして打ち崩されていく内容でした。
狂言絵本ということですが、やけに大人感覚。
もとしたいづみさん、子ども向け作品を多く手掛ける女性ながら、この絵本ではしっかり対象を大人に拡げています。
子どもに読んでいるのか、自分で楽しんでいるのか、嫁さんは「この鬼は草食系だとのたまうし」…。
鬼が出てきて、豆まきがあって、パンチを期待したら、一番のパンチ力は鬼の宝物を巻き上げたうえで追い払った女。
鬼は何のためにわざわざ中国の蓬莱が島からやってきたのでしょうか(嫁さんさがしでもあるまいに)。
鬼は何をしたかったのでしょうか(わざわざ遠方から来たにしては??)。
鬼はどうして下手に出るのでしょうか(鬼よもっと胸を張れ)。
鬼はどうしてこんなに弱いのでしょうか(きっと誰に対してもではないと思うけど)。
多分原型の狂言はこれほどのなまめかしさはないのだろうな。
それにしても、鬼ってどうして純粋で単純で清純なのだろう。
この本の鬼には共感するばかり。
カッコばかりで悪者にされて…、(すいません、自己弁護入ってます)。
かくして私も嫁さんに豆をぶつけられるのでした。
教訓:鬼は外では強くても、家に帰れば猫になる。