中国の昔話の再話。
トラとネコの生態についての但し書にあったように、トラとネコはネコ科の動物で、ネコ科の動物のうちトラだけは例外的に木に登らないとのこと。
中国では、トラが身近に居たのかと、その方に驚いてしまいました。
お話は、のろまなトラが、素早いネコに獲物の捕まえ方を教えて貰うというシーンから始まります。
この切り口が最高です。
いろいろな術を教えて貰うときの、トラとネコの表情の対比が実に愉快。
そして、納得の結末なのですが、実に良く出来た昔話だと思います。
物語も素晴らしさもさることながら、大島英太郎さんの擬人化した絵が、秀逸で見るものを虜にすることでしょう。
昔話のコレクションに是非加えて欲しい一冊で、読み聞かせにもピッタリの作品です。