「モッタイナイ」のマータイさんがどうしてノーベル平和賞を受賞したのか、この絵本を見てよ〜く判りました。
アフリカの環境破壊。
それは、先進国の身勝手さに振り回された悲劇に他ならないのですが、緑が失われていく早さと、人間が変わって行く様をマータイさんが見て、行ったことが素晴らしい。
自足の生活から消費者に変った人々に、自然の大切さと、緑の大切さを伝え、なによりも行動することの重要さを伝えて、復興への第一歩を踏み出すのですが、それは一本の苗木からでした。
荒れ地になった赤土から緑を復活させるための努力は大変なことに違いありませんが、この絵本は決して暗くはなく、マータイさんの続ける努力とあきらめないことを美しく描いています。
環境への思いを深めるとともに、マータイさんの行いには甘受すべきことが満ち溢れています。
本当ならば環境に対する受賞であるべきかと思うのですが、環境の保全こそすなわち平和への取り組みに違いありません。(アメリカ副大統領だったゴアさんも受賞しましたし。)
この絵本はアフリカの話であることと、マータイさんがアフリカ人女性であることが大きなポイントだとは思うのですが、子どもたちには、マータイさんから学ぶとともに、先進国に住む人間として、自分たちのエゴで環境が破壊されていく国があることも理解してもらいたいと思います。