宮西さんの作品は動物物が多く、
そしてその多くが弱肉強食の世界。
オオカミとこぶたであったり、肉食獣と草食獣であったり・・・
喰うか喰われるかの世界の中にも、笑いがあって涙があって
そして、何よりも込められているものが『愛』ではないかと
思う。
恐竜シリーズもオオカミシリーズもどれもとても好きだが
特に好きなのが(私が)この 『おまえうまそうだな』
この直接的な弱肉強食界の台詞が、全く違った世界へと
物語を展開させてゆく。
そして、物騒なタイトルとは全く異なった内容で
私達読者を動物界の厳しさと、たとえその中でさえ存在する
『愛』という、人類にとって最大で最強の感情の奥深さや
素晴らしさを、『情』から変化してゆくという判りやすい展開で教えてくれている。
子供だけでなく、子供と関わる全ての大人に是非ともお勧めの
1冊である。 愛とは難しい物ではなく、とても判りやすく
抱きやすい感情であると教えられる。
愛ある人になりたい。