最初の見開きページを見て、「わぁ〜」と思いました。
上の方に描かれたきつねの親子、
下の方に描かれたねずみの親子、という絵の構図が珍しいし
きつねのだんなとねずみのお父さん?の目が合っていて、ドキッ。
縦書きの字の配置もなんだか新鮮で、ワクワクとページを繰りました。
動物の「食う・食われる」という関係を描きながら、
きつねとねずみの飄々としたやりとりが、なんとも楽しい作品でした。
ねずみが逃げ込む地下の様子が、断面図のように描かれ、すごいインパクト。
もぐらやとかげがいたり、
木の実がいっぱいの「ごちそうのくら」があったり・・・。
絵を描かれた山田三郎さんが人形劇に携わっていらした方と知り、
グッと引き付ける観せ方をよくご存じなのだろうなぁと感じました。
息子はねずみの地中の家に夢中!
私は、ねずみに逃げられたときの、きつねの情けな〜い表情もお気に入りです。
文章も、少し古めかしい言葉ながら、リズムが良くて、
読んでいて心地よかったです。
これなら何度読んでも苦にならないなぁ。
ねずみの「おあいにくさま」がクセになりそう。
短いお話で、幼児さん〜園児さんにもぴったり。
きっと何度も読みたくなる、味わい深い絵本です。