我家の絵本を選ぶ規準は、絵の美しさ。
この絵本は、その規準からすると優に及第点だったので読んでみました。
作のミラ・ギンズバーグは、ロシア出身でアメリカに渡り、ロシアの昔話の再話に取り組んでいるとのことで、この作品もロシアの昔話が元になっているようです。
絵は、確かにロシアという土地を想像させるものですが、アメリカンテイスト溢れるもの。
ジョン・A・スミスの絵は、なかなか迫力があって、良い味を醸し出していると思います。
お話は、老夫婦が子供の代わりにと、ねんどでぼうやをこしらえるシーンから始まります。
出来たぼうやは、一見可愛らしいのですが、食べること食べること。
そして、どんどん大きくなって、家畜は未だしも、何と、老夫婦まで食してしまうのです。
鶏を食べるシーンなんて、ムシャムシャという感じですから、一寸と勘弁して欲しいところ。
ここまでくると、完全にホラーの世界です。
村には誰もいなくなったというところで、想像できない動物が立ち向かうのですが、なかなかエンディングは良い感じだと思いました。
絵と題名からは想像し難い内容の絵本です。
ホラーのような話を、綺麗な絵が補っていると言う感じであり、物語としてはあまりオススメし兼ねるものだと思います。