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世界の国からいただきます!(徳間書店)
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テディベアーのオットーはデビットの誕生日のプレゼント。友達のオスカーといつも三人で仲良く遊んでいました。その時に付いた紫のシミが今もオットーの顔に残っています。オットーがぬいぐるみであることを忘れそうになる絵です。 でも幸せなときは続かず、ユダヤ人のデビットは家族とともに強制収容所に。オスカーとオットーもそれぞれ戦火に巻き込まれていきます。オットーの胸の傷は銃弾の痕です。そしてそれぞれ戦火をくぐり、生き残り、奇跡が起こるのです。 オットーがこの話を残すためにタイプライターを打っている姿が生き生きしていて大好きです。 4年生の教科書で紹介されているようですが、オットーの視点で描かれているので読みやすいですね。
投稿日:2012/07/09
戦争の実話の絵本というと、触れることが多いのは、日本の第二次世界大戦、太平洋戦争の絵本ですが、この絵本は、遠い国、ドイツの戦争の悲惨さについて描いてあります。 ドイツでの戦争の悲惨さとともに、ユダヤ人の差別など、根深い問題を掘り下げている絵本だと思います。 最後にはハッピーエンドになって、ほっと胸をなでおろしましたが、実際にこんなにハッピーエンドで終わる戦争はそうそう無いと思います。 平凡と平和がどれだけ幸せなことなのか、考えさせられました。
投稿日:2013/09/03
オットーは友人に進められ、いずれ息子もわかるときがくるだろうと早々に購入しました。 よくよく確認するとトミー・ウンゲラーの作品。 「すてきな3人ぐみ」「人食いゼルダ〜」「へびのクリクター」 「つきおとこ」なぜか、我が家に揃っていくウンゲラーの絵本。 書かれた当時の政治状況がリアルに感じられます。 読後もフィクションだけど、フィクションの匂いがしない。 絵本の世界に浸っていられる文字と絵。 友情は変わらないもの。 仲間はずっと仲間。 戦争のない世界に済んでいるとか、いないとか関係なく読み応えのある本です。 ラスト・・・ボロボロのくまさんが(オットー)タイプしてる絵がなんともかわいらしいのです。
投稿日:2012/01/27
ドイツ生まれのテディベア、オットー。ユダヤ人のデビッドのものになりますが、彼はユダヤ人の金の星をつけられ、離れ離れに、、、。いろんな人の手を経て、最後にまたオットーはデビッドにめぐり合えるんです。 戦争は本当に悲しいものですが、最後に救いがあって良かったです。 3歳の娘には完璧に理解できなかったのですが、なんとなく感じ取るものがあったようです。
投稿日:2011/09/08
くたびれたテディベアの表紙に興味を持ちました。 ドイツの工場で生まれ、デビッドの誕生日に両親から贈られたもの。 この時代のドイツということは、マルガレーテ・シュタイフ社のものですね。 これは本物、いえ元祖テディベア。 デビッドと親友オスカーによって名付けられました。 名はオットー。 テディベアオットーの経験したことを、彼の目を通してこの時代について語らせています。 “人はだれもが同じ「人間」なのに”の言葉は、痛烈です。 戦争と差別が、数奇な運命をオットーに経験させ、この物語を引っ張っていきます。 私たちの世代は、経験していない戦争。 このテディベアに教えられます。 “平凡だけど平和な人生、ゆったりと流れる時間”も、胸打たれました。 骨董屋の主人が、修復しながら、オットーにかける「おまえは価値のある人形」という言葉を、 私は、この絵本の読み手として、“語り手オットーの真価”に同意し賞賛します。 数々繕われた跡は、オットーがあの時代を生きた歴史でした。 エンディングが、お話ならではの感動でした。 お話し会に使ってみたいと思いました。 高学年でしょうね、惨劇の挿絵に耐えうるのは。
投稿日:2009/10/12
「アン・ハッピーに終わらなくてよかった〜。このまま悪い終わり方をするか、幸せになるか、最後はどっちかだと思ったんだよね〜」 読み終わってすぐ、こういったのは上の子です。 私はラストだけは人から聞いていて知っていたのですが、自分でちゃんと読んだことがなくて、図書館で探してきました。 想像していたより、ずっといいお話でした。 そして「すてきな三にんぐみ」の作者だということに、とても驚きました。全然、雰囲気が違いますよね〜? 大体、どの学校でも、ボランティアで入る「読み語り」の時間は朝が多いと思うのですが、しばらくこういったボランティアの活動をしていると、たいていの講座・講義なので「朝から重たくなる話はしない方がベスト。特に、戦争物は、よく考えてから使わないといけない」と、講師の方からご教示いただきます。 でも、戦争ものの絵本とはいえ、この絵本なら読み語りに使っても問題ないと、私は思いました。 むしろこの絵本なら、「戦争を知らない子ども達」に「戦争」がどういうものか、その輪郭だけでも伝わるような気さえします。 うちの上の子はわりと感受性が強く、悲しいものは避けて通るタイプです。その子が、これは「幸せに終わってよかった」と、気持ちよくいえる絵本なので、私と、子どもの二人とも評価は「自信を持って薦めたい絵本」です。
投稿日:2009/06/02
読み終わって、私と奥さんは感動したのですが、息子の反応は今ひとつ。 戦争の中で、振り回されたテディ・ベア。第2次大戦での、ドイツのユダヤ人迫害。アメリカの人種差別。骨董品店でのデビットとの再会と、オットーとの再会。 時代に振りまわされながら、とても大切なものを伝えていると思いました。 ただ、この絵本の中にある「時代」を伝えることに難しさを感じます。ありきたりに戦争の悲惨さを伝えるだけでは充分ではないと感じたからです。 「ユダヤ人」というキーワード、オバマ大統領就任までのアメリカの人種差別と黒人の貧困、ウンゲラーは「時代」を鋭い視点で絵本に取り込んでいます。 どのレベルで子どもに伝えるか? 戦争を知らない親であり、オイルショックを知らない親であり、あまり日常に危機感を感じなくなった大人たち。 ウンゲラーの絵本は、風刺が効いていて辛口です。 数奇な運命を経て、再会したオットーとデビッドとオスカー。この絵本には感動があります。深みもあるだけに何度も読み返したいと思います。
投稿日:2009/04/17
戦争や人種差別で多くの人が苦しんだ事実を、改めて思い起こさせます。 何の非もないのに犠牲になる子供たち、そしてこのテディベア。 胸の傷がその残酷さを物語っています。 最後に帰るべき場所に無事に戻ることができたテディベアですが、正直「よかった、よかった」とは喜びきれない何かが残ります。 出会いと別れを繰り返し、心身ともにあらゆる痛みを感じてきた過去。 戦争さえなければ、穏やかに少年とそして家族と共に過ごせていたんですものね。 平和の大切さを感じることのできる絵本です。
投稿日:2009/03/24
副題として「戦火をくぐったテディベア」とあり、表紙の絵に引かれたこともあり、息子と読んでみました。 後で、絵本ナビの紹介欄を見たら自伝的な要素がある作品と知りました。 戦火をくぐり抜けたテディベアの数奇な運命にとても心惹かれました。 デビッドが「ユダヤ人」として黄色い星を胸につけなくてはいけなくなった場面では、ユダヤ人の迫害のことを思いました。 息子にとっては人種差別があったということもまだ知らない歴史でした。 子どもの大切な玩具として愛される存在のテディベアが、このような運命をたどらなくてはいけなかったことは、とても哀切な思いでした。 平和であることのありがたさを思うと共に、このような歴史もあったことも忘れずにいたいし、子どもと一緒に知っていきたいと思いました。
投稿日:2009/02/25
戦争に人生を翻弄された三人、その中のオットーというテディベアの視点から物語は語られていきます。デビッドの誕生日プレゼントだったオットーは、デビッドの友達のオスカーとともに楽しい日々を過ごしていますが、ある日デビッドがユダヤ人を示す黄色い印をつけられるようになってから、オットーの目に映る世界がどんどん変わっていきます。 強制収容所へと連行されるデビッド一家、兵隊となって戦地へ赴くオスカーの父親、そしてオットー自身も戦争によって爆撃され銃弾を受けます。 そこから様々な人の手を渡り、なかなか安住の地を得ることの出来ないオットーですが、何十年もたってから、ある出会いを果たすことになります。 重いテーマを扱っているのですが、この出会いによって読後感は悲しいだけのものでなく、どこか希望を感じさせるものになっています。とはいえ、戦争によって、いわれのない差別によって、罪の無い人々が引き離される世の中はやはり間違っています。楽しい絵本、面白い絵本だけでなく「こんな事実があったんだよ」と伝えることは、私達大人の責任だと感じました。 小学生以上の皆さんに読んでほしい、そして何かを感じてほしい絵本です。
投稿日:2009/01/31
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