児童治療カウンセラー・心理療法家の方の「子どもの心理臨床本」だそうです。
読み終えて、これは集団に向かって読むべきではないなと思いました。
私たちおはなし会を担当する者には、迂闊に手を出してはいけない作品だとも思いました。
できるなら、教室に一冊・保健室に一冊・図書館(室)に数冊置いておき、子どもが自ら出会い開くべき作品だと思います。
「そんなことぐらいなにさ」のコリンをともだちに持つ、主人公のへっちゃくん。
へっちゃら″って、ものともしないとか気にもかけないっていう意味でしょうね。
でもへっちゃらくんは、悲しい気持ちを半ズボンに、嫌な気持ちをポケットに、ムカッとした気持ちを飲み込んで、自分の気持ちをしまい込む場所を自分の中に見つけ、ため込むにいいだけため込み、身動きが取れなくなりました。それどころか、この気持ちが漏れ出し始めていました。
読み進むごとに一緒に苦しくなりました。
かしこ鳥との出会いで、親切で安心できる人に思いを吐露することをアドバイスされ、・・・。
へっちゃらくんは、まず、かしこ鳥に出会えたから良かったのだと思います。
この作品に手を伸ばす子にとっては、この作品自体がかしこ鳥になってくれると思います。
清らかな心が一人でも多く解放されることを願ってやみません。