チベットの主食である大麦の由来についての民話を丁寧に再話した作品。
チベットのプラ国のアチョ王子は、国の人々のために、穀物の種を得ようと、
山の神のところに出かけます。
同行の家来も脱落していくほどの、険しい道程を経て、
ついに山神のところへたどり着きます。
山神は、穀物の種のありかを教えてくれますが、またまた、難関が待ち受けます。
竜王に犬に変えられても、山神の忠告に従い、根気よく目的を達成するのです。
穀物の種のありがたさが伝わってきます。
妻となるゴマンという娘との交流も丁寧に描かれます。
アチョ王子、ゴマン、山神、竜王、犬など、それぞれの造形が素晴らしいです。
特に、アチョ王子、犬の気品高さは美しいです。
物語がやや複雑で長いですが、じっくりと味わってほしい作品だと思います。