「にんじんの はなが さいています。」という文章から、この絵本は始まります。「にんじんの花?にんじんの花って知らないわ〜」と、まずは驚きました。そして、その人参の花の ふわふわっとしていて、白くて、可愛らしいことといったら!
虫たちは人参の花が大好き。蜜をすったり、花粉を食べたりしています。その中で、大きな顔をしているのがカマキリ。大きなカマを持ったカマキリは、小さな虫たちにとってはこわーい存在なのです。
でも、ある日、とんでもないものたちが、人参の花にやってきました。おなかをすかせた 10ぴきのあおむしたち!彼らはものすごい速さで、葉っぱを食べていきます。こわい存在のはずのかまきりも、あおむしたちに「おばさん」と言われ、形無しです。
そんなにぎやかな あおむしたちが、いつのまにか いなくなって・・・。
文を書かれた澤口さんが、実際にご覧になった、人参と虫たちの生態から生み出されたお話。かまきりおばさんの表情は憎めないし、人間のような顔を持つあおむしたちは、ユニークです。ちょっと虫が苦手な子どもさんにも手にとってもらいたいな、と思います。畑では、こんないろいろなことが、繰り広げられているのですね。