イーヨとヤーヨの性格は正反対。
それでもなかよしのふたりが、大好きなお花を育てながら
一緒に暮らす平和な日々に、事件が起きます。
ふたりで大切に(ここポイント)育てたお花と知ったうえなのか、
次々と仲間たちがお花を分けてほしいとやってきます。
ヤーヨは「やーよ」と拒絶し、
イーヨは「いーよ」とみんなに分け与えます。
そしていつしか花園は空っぽになってしまい……。
そんな光景を目にしたふたりには決別の時が訪れ……。
ホンワカあたたかいタッチの絵物語なのに、なんとドラマチックな展開!
でもそんな悲劇に、光が差します。
お花をもらった仲間たちが、イーヨの悲しみをなぐさめるため、
みんな手にお花を持って訪れます。
そして感動のシーン、
イーヨは仲間に力をもらって、ヤーヨの行方を追い、
ヤーヨは自分の気持ちを整理して、イーヨのもとに戻ります。
同じくたくさんのお花を携えて……。
ちょっとひねくれもののヤーヨが、しっかり胸のうちを伝える場面では、
見開きいっぱいにヤーヨの顔とお花が描かれて、
お人よしのイーヨをどれほど愛していたかが表現されています。
そして以前にも増して美しい花園をふたりで作ります。
心からなかよしになれたふたりに祝福を!
再開したふたりは、思いやりをもってお互いを認め、
本当の気持ちや考え、真実を伝えることの大切さを学んだのですね。
宝物を守るためのヤーヨの勇気、
要求に答えようとするイーヨの誠実さ、
どちらも必要な「心のあり方」を、さりげなく教えてくれました。
これから成長し、様々な人間関係を築いていく子供たちの
心に寄り添う素敵な絵本でした。
大人になってしまった私たちはどうでしょう。
お花はしおれてないかな?
親友は住み続けてくれるかな?
仲間たちは集ってくれるかな?
時々、自分の心の花園を覗いてみよう。