どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)
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赤羽さんのエッセイを読むうちに赤羽さんが鬼の赤羽と呼ばれていたことを知りました。 確かに鬼が出てくる絵本をよく描かれています。 中でもこの『鬼のうで』と『鬼ぞろぞろ』の鬼が私にとってはとても印象深く心に残りました。 この作品を描かれてから、鬼が切られた右腕と同じように赤羽さんの腕も動かなくなったというエピソードを読んで、驚いたばかりだからです。 赤羽さんの絵というと、余白がとても活きていて、グロテスクなことなくさらりと書いてあるのに、怖さと臨場感はあり、とても力強く感じます。 子どもの頃にもこの話は何かの形で読んだことがありましたが、こんな風に絵本にして出会うとまた違った感じがします。 今の子どもたちは古典文学に触れる機会があまりないように思うので、赤羽さんの絵本から古典に触れていくのもいいかもしれないと思います。
投稿日:2010/12/31
この作品を手にした時、一番注目すべき点は、 文章も赤羽さんが書かれている!という事ではないでしょうか? 赤羽さんが文章も書かれている絵本作品を読んだのは、私はたぶん本書が初めてです。 とてもリズム感があって、言葉の切れが良くて、文章そのものも読みやすかったですし、 「作・絵」ともに同作者という事でなのか、絵と文章の配列が見事で、 ページごとに文字の太さが違ったり、絵や文字の配分が変わったり、遊び心満載なのが伝わってきます。 文字でも絵を語っている感じがするのに、ちっともウザったくなく、1つの作品としての完成度が高いなと、感じました。 ここに登場する「鬼」は綱と対決しているときは非常に恐ろしい印象なのに、一人きりでいるときの表情やしぐさなどには愛嬌がありました。 こういうところも見逃さずに見てほしいです。 とても読みやすいいい作品です。これからはどんどん子どもたちにも読み聞かせなどで紹介していきたいです。 対象年齢は4年生以上からでしょうか。 個人的には、歴史的なことと合わせて物語そのものを楽しめる中学生・高校生にいは、もっとおススメしたいです。
投稿日:2016/07/30
鬼の出てくるお話はよくありますが、この絵本に出てくる鬼は今まで見た中で一番怖いかもしれません。 源頼光の家来、綱が鬼と戦うシーンは迫力があります。 その描写はやけに生々しく、話を読んだだけで絵を見るのがためらわれるほどです。 そして、鬼の腕をとったあとも落ち着く暇もなく、腕を取り戻そうと近づいてくる鬼にハラハラドキドキしっぱなしでした。 鬼の首が山へと戻る場面。 何だかまた姿を変えて戻ってきそうで、怖いです。
投稿日:2009/03/15
鬼が侍(綱)に切られた腕をとり返しにやってくるお話。 赤羽さんということもあって、挿絵も怖い感じですし、 お話も怖いですね〜。 うちのは怖いの大好きなので、その怖さを楽しんでいましたが、 あまりにも怖く読んでしまうと、お子さんによってはかなりひくかも知れません。 コマ割りのような挿絵は臨場感たっぷりで、私はそんな雰囲気が好きです。 それにこのお話、すごい昔話語りなので、 子供に読む前に読む練習が必要だなあと感じました〜。
投稿日:2008/02/04
丹波の大江山に住む酒呑童子といういかつい鬼を 源頼光の家来、綱が退治したという古典のお話からの再話。 赤羽末吉さんが長年想を練って描いた重厚な作品となっています。 いわゆる武勇伝ですが、鬼の腕を切り落として持ち帰るなど、 迫力の展開はちょっと怖いですね。 人間と鬼との知恵比べという点でも面白いです。 文章の語り口が昔話風のリズムがあり、心地よいです。 御伽草子が書かれた頃は、人間と鬼は共存していたような気がします。 そんな背景も感じ取ってほしいです。
投稿日:2008/02/03
鬼の腕を、取ったり取返したり、はらはらするおはなしです。 文章は、本格的な(?)昔話の口調で、お話の世界に入り込んでいけます。 絵が、まるで映画のようなカット割で、どきどきしてきます。 小さい子には、怖すぎるかもしれませんが、怖い話を信頼できる大人と読むことで、 恐怖を乗り越えていけると思います。 赤羽さんの絵は大好きです。
投稿日:2006/09/20
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