作者はチリのジャーナリストで、子ども向けの本をたくさん手掛けている方だそうです。
最近は割とテレビや本などのメディアでも取り上げられることが多くなってきたので、「自閉症」という障害について、直接かかわりを持たない人でもおおよそどんなものなのか想像がつくようになってきました。
私も無知ではありますが、「ピクトグラム」という絵(図)のカードを生活の中に活用することで、自閉症の人たちが動きやすくなるというのは聞き覚えて知っていました。
この本の主人公でもあるマヌエル君は、特に“線”が心の基準となる人で、ピクトグラムと線を織り交ぜて、うまく生活してる様子が絵本からうかがえました。
すごいな。と思ったのは絵本の中にずっと書かれている一本の青い線は、本のページを曲げてもちゃんとつながって見えるところです。
きっとマヌエル君の中では生活のすべてが、こんな風に1つの線でつながって見えているんだろうなと、想像できました。
パトリシオ・メナさんの絵は単純ではありますが無駄もなく、はっきりとしていてわかりやすかったです。
子どもたちの総合学習などで、このような作品が使われるといいなと思いました。