まず世界中の遠い国の言葉の話しで あると同時に、身近な私達の周りの言葉でも同じ事が起こっていると感じた。
最大公約数である標準語が最小公約数である方言を呑みこみつつある、という危機感は日々、日本語を使う中で実は多くの人が薄々気づいていると思う。方言には、その土地で大事にされてきたもの、必要とされてきたものが詰まっていて、だからこそ標準語では伝えきれない細かなニュアンスの違いを的確に言い表わしていると思う。私の体験を挙げるなら、両親の故郷では海の風が肌に当たるベタつき感を「じたじたする」 という。この言葉にぴったり当てはまる標準語は無い。方言は その土地の文化そのものである。
利便性が高く共通語になる言語を重んじるのも大切だが、少数派の言語も丁寧に扱っていく事が、結局は心豊かになり、ひいては他民族との違いを受け入れられる事にも繋がると思った。
わかり易く見ているだけで心和むイラストに囲まれながら、実は奥の深い一冊である。