スウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフのデビュー作だそうです。
ベスコフの絵が大好きなので、やはり外せません。
彼女が、幼いころに祖母から聞いたお話がもとになっているようで、
語りで有名な「ちいちゃい ちいちゃい」かな、とも思いましたが、
少し違うバージョン、昔話らしいですね。
小さな小さな家に住んでいる小さな小さなおばあちゃん。
ある日、小さな小さな牝牛からミルクを絞って、小さな小さなテーブルに置いておくと、
小さな小さなねこが、すっかり飲んでしまう顛末。
ただ、それだけのストーリーですが、繰り返される「ちいさなちいさな」が醍醐味。
ベスコフらしい繊細な絵が素敵で、おばあちゃんの心情もしっかり描かれています。
「もう、帰ってきませんでした」という逃亡したねこの行方は、読者が心配したそうで、
出版後、その文章の後に配慮の一文が添えられることになったそうです。
語り継がれていた昔ばなしが進化していく姿を垣間見た思いです。
幼稚園児くらいから、ねこ好きな方にもおすすめです。