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母が昔 「牛を飼っているおうちに遊びに行ったときに、 おやつで出してもらった牛乳の味が忘れられない」と 言っていたことがありました。 この本を読んで、その話を思い出しました。 この本の主人公、中洞正さんは 山地酪農を実践してきた人で その困難さは、児童書としてさらりと書かれていた以上に 色んな事があったと思います。 現代は、効率を重んじて あるがままの自然なことを、自然なままで流通させることの なんと難しいことか・・。 アレルギーの持病があり 長いこと牛乳を飲んでいない私も 自然なままのこの牛乳なら 飲んでも痒くならないんじゃないかという気がしました。 疫病が流行るこのご時世、 人間に本当に有益なものを見極めることが必要かもしれません。
投稿日:2021/01/24
安価で流通している牛乳を得るために、牛に背負わせているたくさんの苦しみや負荷を知った。 自然放牧ではない牛は、狭い牛舎で飼育されるため、運動不足は避けられず短命になってしまう。人工飼料を与えられるのも短命の原因になる。 乳製品の原材料が牛であると考える発想からは、牛は原料の元でしかなく、そこに生命の尊厳という気持ちは失われてしまう。 山地酪農という方法で、牛に負荷をかけずに生きる中洞さんの生き方は、考えさせられるものばかりだった。 乳脂肪分が、3.5%にならないと買い取り額が半値になってしまう点も驚きだった。 山地酪農を日本で継続していくことの難しさを、中洞さんが克服していく姿にも、頭が下がった。 自然の中で生きる牛たちの自然で美しい姿にも心打たれた。 いつか、中洞さんの牧場の牛に会ってみたいな。しあわせな牛乳を飲んでみたいな。 どんな生物も人間と同じ地平で生きている。根源的なことに気づかせてくれた一冊だった。
投稿日:2020/09/05
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