「ぼくはなきました」 ママの声

お友だちの良いところはすぐに見つけられるのに、自分の良いところはなかなかわからない。これは…子どもあるあるなのでしょうか。子どもの自己認識、あるいは、自分を客観的に見る力がまだ十分に育っていないことが背景にあるのでしょうか。「君もお友だちのお友だちなんだから、良いところはあるよ」と声をかけたくなるお話でした。

おこだでませんようにの作者のコンビです。
子供たちは、あの子や！、お母さん一緒や！とか。違うんですけどね笑。
自分のいいところを見つけるってなかなか難しいことですよね。
人のいいところならいっぱい見つかるのに…。
でも、人の粗探しが得意な人だっていますから、いいところを見つけることが出来るのは、素敵なことだと思いました。
そして、それに気付いてくれる先生は素晴らしいですね。

「おこだでませんように」の作者さんコンビの作品ということで、興味を持ちました。
授業で自分の良いところを発表することになった主人公の男の子。
周りの子達の良いところはすぐに見つけられるのに、自分には良いところがない、と泣き出してしまいます。
そんなぼくにかけた、先生の言葉がいい。
素敵な先生で、本当に良かったと思いました。
自分も、この先生のに声がかけられるようになりたいと思います。

主人公の「ぼく」のちょっと天然パーマっ気のある髪と、広いおでこがとても可愛らしかったです。
周りの人のいいところは見つけられるのに、自分のいいところに気づけないで、自己嫌悪に陥っていく「ぼく」を見ているたら、思わず抱きしめてあげたくなりました。
悩んでいる時、常に消しゴムをにぎにぎしてしまう「ぼく」って、もしかしたら寝るときはお気に入りの毛布をにぎにぎしちゃうタイプではないかしらとか、考えながら読みました。

特に素敵だなと思ったのは、担任の先生で、「ぼく」の話を全部聞いた上で、こっそりいいところを書いて渡してくれる。それだけ、自分の生徒を一人一人ちゃんと見ている先生なんですね。
こういう先生いいなぁと、思いました。
読み聞かせに使うときは、力を入れずにさらっと読んでほしいです。

自分の「よいところ」探しというのは、自分がどんなことが得意とか、どんなことが好きとかというように、目に見える「良さ」を考えてしまいがちですよね。
子供は特に事実に忠実で、心の表現が上手に出来るようになるにはまだまだ時間がかかる・・・ そう感じます。

だからこそ先生がそっとほめてくれたような、そうたくんの「人の良いところを見つけられる」力は、事実に忠実でありながらも心の表現も出来ているので、素敵だなぁと思いました。