サハラ砂漠の真ん中に、ある日熱気球が下りて来ます。
羊飼いの少年の元に。
操縦していた若者は少年を空へと誘います。
少年のせりふが三言ほど。あとは絵のみの本です。
全編を淡い黄色で描いてある砂漠は、本来生きていくのに過酷な場所
であろうと思いますが、人を優しく包み込むような雰囲気があります。
少年にとっては夢のような空の旅。
でも、上からみた景色ですぐに現実に引き戻されます。
この少年は羊の世話をする事が人生のほとんどを占めるような生活を
送るのだろうなと想像します。
今後の彼の人生に、この空の旅はどんな影響を与えるでしょうか。
そんな事を考えるのも楽しいです。
最後のページ、若者は少年に手を引かれて、村人たちのところへ
案内されます。
自然を相手に生きている人達は、人の善し悪しが直感でわかるのかも。
個人的には、文字は全くなくてもいいんじゃないかと思いました。