私は紙芝居屋さん終焉期に子ども時代を過ごしました。
テレビ普及時代に育ちましたから、気づかぬうちにその姿を見かけなくなりました。
さて、主人公のおじいさん、もはや紙芝居業を廃業していたようでしたが、思い立ってかつての町へ、自転車に紙芝居とおばあさんの作ってくれた砂糖菓子を載せ…。
町の様変わりに驚きながら、かつての自分の店開きをしていた場所で、独演を…。
懐かしい想いと、時代にのみこまれてしまった淋しい想いが読んでいて交錯し、読後しんみりとしてしまいました。
お話し会で紙芝居の台を使う事もありますが、この大切な「日本の子どもの文化」とも言えるスタイルは、お菓子はありませんが、こういう形でもやはり残して伝えていきたいと、改めて思いました。