3部作の最終章になりました。
ギルガメシュ王の旅は、「永遠の命」を求める。何とも壮大な旅でした。
この話を読んでいて、「あれ?」と、思ったのですが、グリムの昔話の中に、ギルガメシュ王が旅した「ウトナピシュティムのいる島を守るしの海流」と、似たような旅をする話があったような気がします。
もしかしたら、この話は時代や場所を経て、グリムなどの昔話として、語り告げられているのかもしれませんね。
しかも、ここに登場する「ウトナピシュティム」なる人物(神に近い人間)は、どうやら旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」のノア。のモデルのようです。
そう思うと、ますます壮大なロマンを感じずにはいられません。
ラストがまた素敵でした。
「ギルガメシュよ。ここにきみのもとめた永遠の命がある。」
「きみがきずいたうるくの都、きみがしめした勇気、
きみがしてきた様々の良いこと。
きみは、人々の心のなかに、永遠に生きつづけるだろう。」
と、親友エンキドゥは大きな鳥に姿を変えて、彼の前に現れそう伝えてくれるのです。
物語の最後の言葉としても素晴らしと思いましたが、
500年も前の文明を築いた、世界で初めてといわれる人類の物語のラストが、こんなに究極の答えを示して終わっていることに感動しました。
子どもたちよりも、むしろ世界の政治の中心にいる方たちに、この物語を読んでもらいたいですね。
そして、自分たちのしていること、やらなければならないことを、もう1度よく考えてほしいです。