大きな緑の木に赤いシャツを着た(たぶん男の)子がたっている表紙絵が、目を惹きます。
「おおきいちゃん」の存在の大きさを「ちいさいちゃん」にかぶさる影として描かれているので、
「ちいさいちゃん」が感じる「おおきいちゃん」への畏怖みたいなものは読んでいてしっかり伝わってきました。
この子たちの住んでいるのが草原の中の一軒家なので、背景は常に緑が描かれています。
草や木々や花々が1つ1つ物語の中で生きていて、引き立ててくれているように感じました。
とても気に入ったので、たまたま近くにいた下の子に読んでみました(今はもう高校生です)。
感想は「ちいさいちゃんの家出って、近いね」「わぁお〜、おおきいちゃんの顔が出た!」でした。
確かに、「ちいさいちゃん」が、「おおきいちゃん」をただ大きいというものではなくて自分と同じ子どもなんだと気づいた時から、「おおきいちゃん」はちゃんと姿を現します。
こういう意識の変化をすごく自然に見せてくれている作品だと思いました。
絵もはっきりしているし、物語の進行もわかりやすく、言葉での説明も必要な分だけで煩わしくありません。
読み聞かせにもってこいです。
5,6歳くらいから小学校低学年くらいのお子さんたちにいかがでしょうか?