佐藤さとるのコロボックルシリーズ以外で一番好きな作品が「ジュンと秘密の友だち」です。
久しぶりに読みましたが、ジュンとダイちゃんという不思議な男の子との出会いが非常に丁寧に描かれていると思いました。
私は高校生の時に初めて読んだのですが、ジュンが小屋を作るところにわくわくしました。主人公が話の中で物作りをする設定は、読者も一緒に物を作っている気持ちを共有できるので私は好きです。
ジュンが小屋作りをするのを家族が必要なところだけを助けるのも気に入っている点です。ジュンの姉で機械に強いミサオは少しだけの登場ですが、いい味を出しています。
ジュンの叔父さんで自動車整備を仕事としているノブおじさんの「ものを作ることは、作る人の魂をものにこめることだ」という言葉がとても印象に残ります。
非常に緻密に伏線がちりばめられており、読み終わると「なるほど」と感心しました。読み終わった時には失われていく物に対しての切ない感情が残りました。すべてを書いてしまうと読書の妨げになるので書きませんが、大人が読んでもおもしろい話なのでぜひ読んでほしいと思います。