鴨長明の方丈記。
その冒頭部分が無常観を表す絵とともに描かれています。
表紙に描かれている流れを感じさせる川の絵が
印象的で手に取りました。
学生時代、こういった古典の冒頭部分を
暗記させられたことを思い出しましたが、
その当時はそんなに意味を考えず覚えていた気がします。
しかし、実際に絵を見ながら、ゆっくりと声に出してみると、
そのよどみない語り口がせつなく、寂しく、また美しいこと。
いつの世にも変わることのない時の流れ、
それがこの方丈記が描かれた時代にこんなにも
美しい文章となって表現されていたことに驚きも感じました。
また、語りの意味することが分かり易く絵で
描かれているので、最後に書かれている口語訳を見なくても、
意味が伝わってきます。
口に出して読むことによって、方丈記の魅力が存分に
伝わってくる一冊です
私が好きで読んでいるのですが、読み始めると
息子もじっと耳を傾けています。
冒頭部分だけでなく、続きも読みたくなりました。
素晴らしい本です。