1897年フランス生まれのフランソワーズ・セニョーボさんの作品です。
フランスの出版社に勤務後、アメリカ留学、後にニューヨークの出版社に勤務し、たくさんの作品を残された方です。
この作品の原題も“ノエル(クリスマス)”を用いていて、南フランスの農場での暮らしのゆったりのどかな風を感じる作品ですね。
夢見る夢子さんのようなノエル前のプレゼントに夢を馳せるまりーちゃん。
一方、木靴を持たずプレゼントを期待できずにいるひつじのぱたぽん。
どこまでもどこまでもプレゼントへの夢が広がり、ぱたぽんの悲嘆の声が聞こえていないようないるようなまりーちゃんとの平行線的な会話が愉快です。
お話の閉じ方は“めでたし”ですが、フランス少女のノエル前のワクワク感が可愛らしく描かれた作品です。
エッツの「わたしとあそんで」・マーガレット・ワイズ・ブラウンの「せんろはつづくよ」の翻訳も手がけられている与田準一先生の素敵な訳が、この作品を奥行きのあるものにしていると思います。
ひつじの名前の「ぱたぽん」は今でも息子の記憶に残っているそうです。