『まんげつのはなし』というタイトルですが
このお話の中の「まんげつ」はお月様ではなく
射れば必ず なんでもを射抜いてしまう「弓」の名前でした。
昔から満月には不思議な力があると信じられてきただけに
この弓が登場したあたりから
不気味な空気を漂わせながらお話が進んでいく感じがしました。
贅沢な暮らしに飽き足りなくなった大金持ち「金丸」。
そこで(何か変わったものを…)と
家来に言いつけ手に入れた弓「まんげつ」ですが
この弓を持ったせいて゜
金丸の人生は 自業自得とも言える結末をむかえます。
絵はカンバスか何かの生地に描かれ
巻物になっているのが見返しの写真で分かるのですが
話の顛末が続けて描かれていることで
悪行を働けば
その報いは必ず自分の所に帰ってくることを表しているようでもあり
作者のお二人の言いたかったことはここにあるのでは…と
考えずにはいられません。
色々と書いてしまいましたが
これは欲望のままに突き進んでしまった為に
身を滅ぼしてしまった青年の話。
こうならないためにはどうしたらいいのかを
考えさせられる絵本だと思います。
使われている言葉や 文章量から考えると
小学校中学年以上の子ども向けのように感じました。