井上洋介図鑑展で展示されていたタブローの中に板と板をちょうつがいでつなげたものがありました。
ちょうつがいでつながっていると、大きなものでも半分に折れて持ち運びが楽なそうで、そのタブローを見た時「ああ、ここにもちょうつがいが」と思いました。
というのは、先に井上さんの『ちょうつがいの絵本』を読んでいたからです。
ちょうつがいというと、ドアぐらいしか私は思い浮かびませんが、この絵本の中には「こんなところにもちょうつがい」という、ちょうつがいの驚くような使い方と発想があります。
これぞ井上洋介の世界とも言えるこの絵本。私が思わずクスッとしたのは、けんかの時には背中合わせになるちょうつがいが使われた椅子。
中表紙も裏表紙も見返しに至るまで、井上さんらしい趣向の凝らし方がしてあるので、じっくり絵を楽しみたい絵本でもあります。
『あんなところに』という絵本にもちょうつがいが登場していることから、井上さんはちょうつがいもお好きなんでしょうね。
お話会や子どもへの読み聞かせでも使ってみたい絵本で、子どもたちの反応が楽しみです。