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大きな木のおくりもの」 ママの声

大きな木のおくりもの 作:アルビン・トレッセルト
絵:H・ソレンセン
訳:中井 貴惠
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1996年10月
ISBN:9784751514481
評価スコア 4.33
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  • 遠目が効く絵

    おはなしの内容は、静かに静かに進みます。

    一本の大きな木と、動物、植物との関連、時の流れ・・・

    写真?と思わせるような、でもアジのあるステキな「絵」です。

    内容的に、こどもは自然界のサイクルとして「知ってるよ」「あたり前」と思うかもしれません。でもそれは「頭」の中の「知識」だけのことではないでしょうか?

    人間に置き換えて考えてしまうのは、自分が年を重ねたからでしょうか!?

    こどもにもですが、年配の方に、じっくり読み聞かせるのもいいのでは?と思わせる絵本です。

    投稿日:2008/10/18

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  • 悠久の時

    老いて倒れた大木が土に還ってゆくさまを淡々と描写した絵本です。

    息子はページを開いて、「あれ、写真じゃないんだ」とつぶやきました。デンマーク生まれの画家アンリ・ソレンセンの絵は、よく居間にかかっている風景画のような感じの、正統派の「絵画」。格調高いタッチと色使いで、森の美しさを見事に再現しています。枝のリスたち、アライグマ、虫をくわえたキツツキ、どれも生き生きとしていて、今にも動き出しそうです。嵐の場面では、風の音が聞こえて来そうです。

    嵐で木が倒れたあとの変化を「観察」するトレッセルトの筆致は飾りがなく、ただひたすらに事実の描写に徹しています。科学絵本、と言ってもいいくらいの素っ気なさ。けれど、最後の最後の一行、たった一言にぎゅっ、っと作者の気持ちが凝縮されています。百年もの時を超えとうとう消えて行った大木、綿々と受け継がれてゆくいのち。一日二日では観ることの出来ない、いのちあるものにとって絶対に逃げることの出来ないない結末を目の当たりにして、切ない中にも何か、さわやかな読後感が残ります。最後の一言が、とても利いている絵本です。

    投稿日:2008/10/08

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