この話は、都会に住んでいて雑踏の冷たさみたいなものを知っている人じゃないと
描けない話だなと思いました。
あまりに磨かれていて、間違ってガラス張りの高層ビルにぶつかって怪我をして落下
してきた鳩に気付く人は雑踏の中にいません。もしくは気付いても立ち止まらないの
かもしれません。そんな中、一番幼いだろうウィルだけが気付くのです。
そして家に連れて帰り、両親と一緒に心のこもった手当てをしてあげ、また発見した
場所に連れていき、空へとかえしてあげる話です。
鳩の話でしたが、都会で傷ついた人の話にも置き換えられると思いました。
文が少ない分、自分で絵を見てストーリーを考えさせられるので、色々な取り方が
出来ることだと思います。
まったくどうでもいいことなんですが、鳩の糞が建物の上や像の肩の上など色々な
ところにしっかりと描かれている細かさやウィッティさにも感心してしまいました。