【狂言えほん】シリーズの中の一冊です。
伝統芸能に絵本と言う形で幼いころから触れられるっていいなって思います。
さて、この『せつぶん』は、内容的には、大人が楽しむ内容かもしれません。
でも、お子さんと読む時には、鬼とおんなの声の調子や勢いを変え形勢逆転の面白さを強調すると、より一層楽しめるかと思います。
陰暦で大晦日に当たる節分の夜、蓬莱ヶ島の鬼がまかれた豆を拾って食べようと日本へ渡って来るといいます。
道を急いで空腹になった鬼は食べ物を請おうと辺りの人家を探します。
鬼が声をかけた家は、夫の留守を守る女房(おんな)のみのよう。
鬼は、首尾良く戸を開けさせます。
おんなは…。
恋心を抱いてしまう鬼の純情さと、鬼の心中の変化に気づいたおんなの計算高い強かさが対照的で大人には笑える内容です。
「すごっ、全部とっちゃたよ!」と息子。
『本当に恐いのは人間なんだよ〜。気をつけなさ〜い、欲張りな人間に。』ってよけいな警告をしたくなりました。