セレクションでも読んだのですが、単行本としてはどんな風になっているのか気になって読んでみることにしました。
絵本として出版されている「てんぐのくれためんこ」、安房さんの作品としては力強くて異色な感じがしていたのですが、山の童話集として、この本の中に収録されていた作品ということを知りました。
茶店の茂平さんが、作りかけのベーコンを盗んだいたちを追いかける場面での風と一体化している描写が印象的でした。
作品もさることながら、題名も素敵だなと思って読んでいます。
この中に収録されている作品では「風のローラースケート」や「花びらづくし」などとてもロマンチックだと思います。
私が気に入っているのは「ふろふき大根のゆうべ」です。
悲しみが大根のゆげを見ているうちに昇華されていくとしたなら、どんなにか素敵なことでしょう。
どの作品も優しく豊かで安房直子作品の素晴らしさを感じます。